滝を見に行く/元町映画館
平日の午後に観に行ったせいか、客層は50代以上の中高年がほとんど。
男性も多い。
あらすじは、バスツアーで幻の滝を見に行った「おばちゃん」7名が、ツアーガイドとはぐれて遭難し、一晩を山の中であかす。
それだけ。
本当にそれだけの話である。
しかも、7人のおばちゃんを演じるのは、ほとんどが素人同然の方々ばかり。
ちなみに、最後に出てくる農家のおっちゃんも、スタッフのロケハンに同行(?)した素人さんをそのまま起用したそうな。
だからだろうか、ものすごく演技が自然。
学芸会じみた棒読みではなく、かと言って大げさなお芝居でもなく、本当におばちゃんたちのお喋りを見ているかのよう。
遭難したことを自覚し、あわてふためくおばちゃん達。
とりあえず、腹をくくって脱出を目指すおばちゃん達。
野宿を決め、食べ物を調達するおばちゃん達。
たき火を囲み、昔のコイバナに花を咲かせるおばちゃん達。
夜空を見上げながら、「恋の奴隷」をみんなで合唱するおばちゃん達。
強くたくましく涙もろく優しく図太とくて可愛い。
何だこれ、“女の子”そのものじゃないか。
幼くても、女の子から女性に成長しても、おばちゃんになっても、おばあちゃんになっても、女性はいくつになっても“女の子”をちゃんと持ってるんだな。
そんな静かな感動を静かにかみしめつつ、幸せな気分を感じた、神戸の昼下がりでした。