六角堂/京都・丸太町御池
大阪の四天王寺建立のための建材を求めこの地を訪れた聖徳太子が、仏のお告げにより御堂を建てた。これがこの寺の始まりとされる。
大通りである烏丸通りのすぐそば、ビルが立ち並ぶ都会の街並みの中に佇む六角堂は、過去に幾度となく火災に見舞われている。
その度に再建され、今なおここに鎮座し続けている。
この六角の形は、六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)によって生ずる「六欲」を表している。
本堂にお参りする際は、角の部分に触れながら一周すると、煩悩、つまり角(六欲)をなくし円満になれるのだとか。
本堂には、聖徳太子の持仏と言われる本尊如意輪観音像、重文の毘沙門天立像などが安置されている。
境内の池は、聖徳太子が沐浴をしたとの言い伝えがある。
この池のほとりに小野妹子を始祖とする僧侶の住坊があり、それにちなんでつけられたのが「池の坊」
彼らが朝夕宝前に花を供える習慣が、のちにいけばなへと発展した。
そう、ここはいけばな発祥の地で、すぐ側には池坊会館がある。
こちらは境内にある、「池坊専応口伝」(いけばなの理論)の石碑。
六角堂の名物は、いけばなの他にもうひとつ。
京都の中心とされる「へそ石」がある。
この「へそ石」、元々は門前の六角通りにあったものが、明治初期にこちらに移転したそう。
桓武天皇の遷都の折、当時の六角堂が道路の中央にあり邪魔であった。
そこで南北どちらかに移動することを祈願すると、六角堂が自ら北方へ約15m移動したという。
その時その場に取り残されたのがへそ石だという言い伝えも残る。
六角堂と言えば、鳩。
境内にたくさんいる鳩はもちろん、鳩みくじも愛らしい。
この鳩みくじ、普段はブルーの鳩だが、桜の季節には桃色の鳩みくじが授与される。
境内にある六角柳。
平安時代、妃を求めていた嵯峨天皇が、夢のお告げにより六角堂の柳の下で絶世の美女と出会い、妃として迎えたことから、良縁にご利益があるといわれる。
隣のビルのエレベーターから見た六角堂。
ちゃんと六角形の形をしていることが見てとれる。
ちなみに展望台はありません。
エレベーターの窓からの鑑賞。
展望エレベーターがあるビルの1階にあるスターバックスコーヒーは、六角堂にちなんで柱が六角形。
六角堂境内を眺めながらお茶ができる。
他にも、着物のタペストリーが飾ってあったりと、すぐ隣の六角堂をイメージした造りとなっているのでこちらも要チェック。